大阪産業技術研究所との産官技術交流会(新チャレンジ大阪3)のご案内

食品ロス削減に役立つ先進技術
〜食品の保存性向上、廃棄物の有効利用など、関西地域における産官学の取り組み〜

主催:(一社)生産技術振興協会・大阪商工会議所・(地独)大阪産業技術研究所
協力:大阪府・大阪市
後援:近畿経済産業局・大阪シティ信用金庫大阪商工信用金庫・葛椏s銀行
樺r田泉州銀行・(一社)大阪大学工業会・(一社)大阪工研協会
(一社)大阪府技術協会・NPO法人エコデザインネットワーク

 当協会は、大阪商工会議所・(地独)大阪産業技術研究所の協力を得て、大阪の中堅・中小企業に有益な技術情報や試験・実験設備の紹介をしています。今回のテーマは「食品ロス削減」です

 本来食べられるのに捨てられてしまう食品を「食品ロス」と言い、我が国では年間約650万トンもの食品が食べられないまま廃棄されています。世界全体では約8億人が食糧難で苦しんでいるにかかわらず、人の消費向けに生産された食糧のおおよそ3分の1、量にして1年当たり約13億トンが無駄になっていると推測されています。

 国連は15年採択の持続可能な開発目標(SDGs)で、30年までに世界全体で、流通段階以降の1人当たりロス量を半減させることを掲げている。持続可能な社会構築のためには、食糧資源を無駄にしないための食品ロス低減は緊急の課題となっており、我が国でも2019年5月に「食品ロス削減推進法」が可決されました

 本法案では、行政に対しては食品ロス削減施策に対して有効な施策を施すこと、事業者は施策に協力し積極的に食品ロス削減に取り組むことなどが責務とされます。

 そこで、当協会は、大阪商工会議所、大阪産業技術研究所と共催で、関西地域における産官学の機関が取り組んでいる、食品の保存性の延長、廃棄する食品の有効利用などの食品ロス低減に向けた様々な研究成果をわかりやすくご紹介いたします。また、ご参加いただいた皆様と演者の皆様との交流会を開催いたします。

シンポジウムポスター1 ◆シンポジウムポスター2


日 時 :2019年10月3日(木) セミナー 13:30〜17:15、交流会 17:20〜
会 場 :大阪商工会議所 地下1号会議室 (大阪市中央区本町橋2番8号)【地図はこちら
参加費 :講演会 無料、懇親会 1,000円(当日、会場受付にて申し受けます)
定 員 :120名(達した時点で締め切らせていただきます)
申 込 :参加申込はこちら

【プログラム】
13:30〜13:35 開会挨拶   (地独)大阪産業技術研究所 理事長 中許昌美
13:35〜14:05
講演1「水産物より生じる廃棄物からの機能性脂質の製造」
(地独)大阪産業技術研究所 森之宮センター 生物・生活材料研究部 研究室長 永尾寿浩 氏
 脂質の仲間であるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)は種々の優れた機能性を保持することから、消費者に良く知られている機能性脂質です。本講演では、マグロの廃棄物などから抽出した脂質を原料とした酵素法によるDHA高含有油の製造とその酵素反応メカニズム、およびスルメイカの切れ端などの廃棄物から抽出した脂質の酵素法によるDHA高含有リゾリン脂質の製造と機能性について概説します。
14:10〜14:40
講演2「新しい殺菌技術の応用による食品保存性の改善」
(地独)大阪産業技術研究所 和泉センター 応用材料化学研究部 主任研究員 井川 聡 氏
 食品を廃棄する理由の一つに、細菌やカビの発生による腐敗が挙げられます。強力な殺菌剤の使用は腐敗防止に役立つものの、健康への悪影響が懸念されるため容易ではありません。当研究所では大阪大学と共同で殺菌技術の研究を進め、過硝酸を用いた殺菌技術の開発に成功しました。過硝酸はきわめて高い殺菌力を示す一方で、短時間で分解して無害化するため高い安全性も同時に持ち合わせています。この過硝酸を用いる事で食品の保存期間を延ばし、食品ロスの低減につながることが期待されます。
14:45〜15:15
講演3「大阪環農水研における食品ロス削減につながる研究紹介」
(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所 食と農の研究部食品技術グループ 主任研究員 橘田浩二 氏
 農林水産物の鮮度保持期間を長くすることで食品の廃棄量を削減できます。当研究所では、様々な農産物の流通・貯蔵に最適な温湿度条件を品目別に探索するとともに、鮮度保持剤や容器包装資材による鮮度保持効果を研究しています。この発表では、食品ロスの削減につなげるため、農産物の鮮度保持期間延長研究及び加工食品の賞味期限延長研究に関する成果を発表します。
15:25〜16:10 製品・技術紹介
@「食品添加物による食品ロス削減」
奥野製薬工業株式会社 総合技術研究部 第12研究室 川田仁志 氏
 食品ロス削減には、食品の賞味・消費期限の延長が1つの手段として有効です。当社では、食品添加物を用いた腐敗防止技術を開発しています。本講演では、当社製品と食品添加物による食品ロス削減について紹介します。
A「バリアナイロンフィルムによる食品の保護」
ユニチカ株式会社 市場開発グループ 包装フィルム営業部 二科昌文 氏
 本講演では、強度の高いナイロンフィルムを基材に用いたバリアフィルムによる、内容物保護と賞味期限延長効果について紹介します。
16:15〜17:15
講演4「食品ロス軽減を可能にする天然素材エキスの機能とその応用」
関西大学 化学生命工学部 生命・生物工学科 教授 河原秀久 氏
 食品ロスには、農産物の生産段階での価格調整のためや品質の悪さ(見た目)などで廃棄している量は加算されていません。この食品ロスを軽減するためには、農産物や加工食品の高品質の状態で保存期間を長期化する技術が必要です。この技術の一つが、冷凍時の氷結晶を制御する機能による冷凍食品やマヨネーズの品質保持期間の延長、氷結晶の発生を制御する機能による生鮮野菜や果実の0℃以下の未凍結保存による長期保存技術などです。本講演では、0℃以下での食品の長期保存を可能としうる天然素材エキス(カイワレ大根、エノキタケ、コーヒーエキス、酒かすなど)の機能について紹介します。

17:20〜 交流会  講演者・大阪技術研の研究員・参加者同士の交流、意見交換を行います。(参加費1,000円)

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