第12回フレンドシップサロン

「高齢者施設における医科歯科連携」
〜いつまでもおいしく食べるために〜


■開催趣旨

 豊かで健康的な長寿社会を考える場合、人生の最後までおいしく物が食べられる喜びを感じながら、QOLの高い終末期の人生を送ることは理想の姿です。 高齢になると歯だけでなく飲み込む力など口内全体が衰えます。食ベる機能が低下すると体力・筋力の低下を招き、生活の質の低下が顕著になります。 いつまでもおいしく食べることを実現するためには、医師、歯科医師、栄養士を中心とした職種で構成された医科歯科連携による取組みが不可欠です。
 このような連携は、すでに大きな病院などでは進んでいますが、高齢者施設では十分には普及していません。 このセミナーでは、「いつまでもおいしく食べるために」をテーマに、高齢者施設における医科歯科連携を目指して、 現在進行中である「池田彩の郷」での取り組みを様々な観点から紹介し、「いつまでもおいしく食べる」ために今何をすべきかを考えていきたいと思います。

 ◆ポスター

■開催概要

日時 : 2023年3月16日(木)15:00〜17:30
場所 : 大阪商工会議所 6階 白鵬の間 (大阪市中央区本町橋2番8号:地図はこちら)
     【オンライン】Zoomウェビナー
主催 : 大阪商工会議所、一般社団法人生産技術振興協会
後援 : 公益社団法人日本WHO協会
参加費: 1,000円(税込) ※但し資料代。資料不要の方は無料。
定員 : 会場 (50名)、オンライン(200名)※オンライン併用開催

お申込みは【こちら】からお願いします


■プログラム

司会:園田 学 氏(サラヤ株式会社、生産技術振興協会 参与)

15:00〜15:05 開会の辞  大阪商工会議所 副会頭 生産技術振興協会 理事 廣瀬恭子 氏

1.講演の部
【講演1】15:05〜15:35(30分)
 「最後まで美味しく食べるための医科・歯科・介護連携システム構築のための提案
  〜JAみなみ信州歯科診療所での実践〜」

       JAみなみ信州歯科診療所 総括院長  石田 健 氏

【講演2】15:35〜15:50(15分)
 「高齢者の食事の課題と展望」
       (公社)日本メディカル給食協会 副会長  田村 隆 氏

【話題提供】15:50〜16:05(15分)
 「食品衛生や健康増進に対するサラヤの取り組み」
       サラヤ株式会社 感染予防・食品衛生サポート部  吉田尚一郎 氏

  (休憩15分)

【講演3】16:20〜16:50(30分)
 「『高齢者』から『幸齢者』に」
       医療法人秋澤会 秋澤クリニック 理事長  巽 陽一 氏

【パネルディスカッション】16:50〜17:20(30分)
 「いつまでもおいしく食べるために」
   パネラー:講演者
   コーディネーター:近畿大学 生物理工学部 教授 服部圭子 氏
   司会:生産技術振興協会 アライアンス委員長  北村光司 氏

17:20 閉会の辞  生産技術振興協会 理事長  堀池 寛 氏



■講演概要
●最後まで美味しく食べるための医科・歯科・介護連携システム構築のための提案
  〜JAみなみ信州歯科診療所での実践〜」  石田 健 氏

 政府は、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目処に、高齢者が最期までの住み慣れた地域で 自分らしい暮らしができるように地域の医療と介護が包括的に支援・サービス提供 できるような仕組みとして「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。その中で、歯科医療も 、自分の住み慣れた家で自分らしく「最期まで美味しく食べられるように」を支援する取り組みが 求められています。
 JAみなみ信州では、地域の「食」を守るJAの事業のひとつとして、2001年より飯田市鼎に、 2014年より阿南町にJAみなみ信州歯科診療所を開設し、「いつまでも美味しく食べるために」 を事業理念として、訪問診療を中心に地域の「食べる」を守る歯科医療を提供しています。 そして2022年10月に在宅で「最期まで美味しく食べる」を守り支援するため、高森町に在宅訪問 歯科診療を専門とするクリニックを開設し、介護施設、在宅含めて合わせて年間2万件以上の 歯科訪問診療をおこなっています。
 そこで本講演では、当JAの取り組みを通じて、医療従事者だけでなく、介護者、そして家族も 含めて、高齢者を支える人たちがどのように協力・連携して、“いつまでも、そして最期まで自分 らしく美味しく食べるためにはどうしたらいいのか?”について、お話させて頂きたいと思います。
●高齢者の食事の課題と展望  田村 隆 氏
 高齢者のお食事は「体力の維持」にかかわる特別な食事です。健やかな健康を保つために、 医科・歯科・介護に加え、食のプロとして出来ることもまだ多くあるのではないかと考えています。 高齢社会が急激に進むこの時代には、従来の標準化された高齢者の食事から、美味しく・楽しく「食す」 ための工夫が必要ではないでしょうか。社会が効率重視に進むなかで、真に高齢者の立場に立った 食事が心を潤し、老後を豊かにしてくれることを、食生活の観点からご提案をしたいと思っています。
 また、私が副会長を務める、公益社団法人日本メディカル給食協会の役割と活動内容についても ご紹介したいと思っています。
●食品衛生や健康増進に対するサラヤの取り組み  吉田尚一郎 氏
 当社は1952年、赤痢予防のために日本初の薬用石けん液と容器の開発から事業を開始しました。 世界の「衛生、環境、健康」へビジネスを通じて貢献することをスローガンに掲げており、 その中で企業の食品衛生や感染症対策のサポート事業も行っております。感染予防・食品衛生 インストラクターが企業における食品衛生や感染対策の管理状況の課題を見つけ、 現場に合った管理方法を提案・構築し、運用の支援を行うことでそれらの向上に貢献しています。
 このように弊社では、企業や世の中が抱える課題を解決するサービス、製品を提供してきました。 ここでは、このような当社の取り組みについてご紹介致します。
●「高齢者」から「幸齢者」に  巽 陽一 氏
 介護を要する高齢者の施設で「介護を支える医療」を目指して日々診療を行っており、 入居されておよそ3か月を目途に、ご家族と「いつか来る時」についてお話しさせていただいております。 6年前はご家族から、「今は「いつか来る時」など、とても考えられない」や 「施設に入居中は、悪くなればとりあえず病院へ」のご意向が少なからずありました。 今では、「施設を終の家に」「穏やかに施設でその時を迎えさせてあげたい」のご希望が、 9割近くになってきました。現状、1年間で60人以上の方を施設での看取りをさせていただいております。 いまだに残念ながら、転倒による骨折での入院や誤嚥性肺炎や心不全増悪による緊急受診は、 年間200人ほどあります。退院できても、その後のADL(移動・排泄・食事・更衣・洗面・入浴などの 日常生活動作(Activities of Daily Living))の低下は、中々防げません。
 緊急受診を少しでも減らすためにも「体力の維持」が大変重要です。 体力には、まず「食(しょく)す」ことです。点滴では「食す」ことの替わりはできません。 美味しく・楽しく「食す」ために、この北摂の「彩の街」から「介護を支える医科・歯科連携+食事」 を始めたいと強く思っております。美味しく食べて「幸齢者」を支えていきたいと考えております。
 ここでは、私が勤務する秋澤クリニックでの、「高齢」から「幸齢」になるための試みと、 今後の医科歯科連携のビジョンをご紹介したく思っております。
●パネルディスカッション
「いつまでもおいしく食べるために」  服部圭子(コーディネーター) + 各講師

コーディネーターからひと言: 医科歯科とは専門外の分野ですが、母も有料老人ホームのお世話になっており、 自分にとっても身近な話題です。生活者の目線でお役目を果たさせていただきたいと思っています。 先生方のお話をお伺いできることを楽しみにしています。



【セミナー内容に関するお問い合わせ】(一社)生産技術振興協会 TEL:06-6944-0604 FAX:06-6944-0605
【申込に関するお問い合わせ】大阪商工会議所 産業部 産業・技術振興担当 TEL:06-6944-6300


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