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季刊誌

生産と技術

−Vol.63, 別冊− (2011年 震災特集)
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第一部:震災特集
大久保昌一・大阪大学名誉教授に訊く「日本の都市計画の現状と今後の在り方」   
原子力発電所の地震時の安全確保について中村隆夫
福島原発事故にともなう放射能汚染飯田敏行
津波に対する対策と課題出ロ一郎
建築の耐震技術と地震被害宮本裕司
被災者の命をまもる−災害に関するがん患者の看護研究に携わった経験から−荒尾晴惠
子どもにおける大震災の後遺症を減らす為の対応杉山登志郎

第二部:新エネルギー戦略 バイオマス
■巻頭言
日本のエネルギー将来像にバイオマスを新名惇彦
■特集<ハイテクセミナー>
バイオマス 〜非バイオ系技術者と語るバイオマスの活用〜
バイオマス活用の概説新名惇彦
バイオエタノール製造技術の現状と課題近藤昭彦
水生植物による水質浄化とバイオマスの有効利用池 道彦
我が国におけるバイオマスの熱分解ガス化発電の現状と導入の実際笹内謙一
バイオマスを用いたバイオディーゼル燃料の生産福井希一


※発刊趣旨
今回の大震災は地震・津波の被害とともに福島原発の壊滅的な事故を伴った。 これらの災害は科学者に大きな衝撃を与えたばかりか、燃料資源の乏しい我が国のエネルギー 問題を課題として残していった。これらの国民的関心事や課題に応えるために、通常年4回 出版している季刊誌「生産と技術」に加え、別冊<震災特集>を緊急出版する事にした。 本書は2部構成となっている。
1部<震災特集>は、主に東日本大震災に関する事象について各分野工学部・理学部・医学部の 専門家がそれぞれの立場で問題点を執筆している。執筆者は主に大阪大学の教授陣が、災害に 強い都市計画のあり方、原子力発電の安全性、天災としての地震や津波、そして被災者のこれ からの心のケアの在り方について述べる。
2部<新エネルギー戦略 バイオマス>は、福島原発の壊滅的な事故に関連し、これからの日本の エネルギーについてその将来像を語り合った講演会の抄録である。
原発に代わる持続可能な自然エネルギーについてそれぞれはいまだ本格的な普及に向けては なお発展途上であり、火力や原子力など既に成熟した電源と比較すると、いまだ効率面で 非効率な面がある。しかし、効率だけで判断するのではなく、安全性と地球湯環境保護を 備えた自然エネルギーに関して、その可能性を見極め、未来に向けて育てていく発想が重要 と考える。これらはいずれも「地産地消費型小型発電」という新たな選択肢である。日本では 生ゴミや木質ゴミが無尽蔵に廃棄され、都会では多くの食物残渣や下水道処理から発生する産業 廃棄物の活性汚泥等が発生する。そう言った意味で日本では、バイオマスは資源が豊富と言う 意味で、大いに期待できることに加え、太陽光と風力に比べ、はるかに安定的に発電することが可能だ。
これらの少数派の電源は様々な自然エネルギーと既存電力が互いに補完し合うベストミックスを 構築することが重要だ。特に太陽光や風力は発電の安定性に欠けるため、バイオマスエネルギー で機動的にサポートする仕組みが必要とされる。2部<新エネルギー戦略 バイオマス>では日本 のエネルギー将来像を考えるときの参考にして頂きたいと考えている。


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