ハイテク推進セミナー

地球温暖化防止技術セミナー
−明日からでは遅すぎる−


主催(社)生産技術振興協会・大阪大学生産技術研究会
後援大阪商工会議所・NPO法人エコデザインネットワーク

 我々を取り巻く気象変動はここ最近劇的な変化が生じ、日本各地で新記録・新災害が発生しています。 その一例として我が国にはかつて無かった竜巻により、尊い人命が奪われる事件まで生じています。地球環境問題に消極的 であった大国米国ですら政策転換が見える現在、社会は一気にCO2の削減を余儀なくさせられる方向にあります。 今や地球温暖化防止に向けた技術を学び、多くの業種に亘ってそれぞれの防止策を実用化し、温暖化防止のための新産業を 創出する事が緊急の課題となっています。
 本セミナーでは、今後ますます対策が強化される温室効果ガスの排出量を支配する関連技術分野の最新動向と今後の展望 を、それぞれの専門家に解説して頂きます。


日時 :平成19年10月25日(木)10:00〜16:45

会場 :(株)島津製作所 関西支社(阪急ターミナルビル14階)

会費 :(会員)2,000円 (非会員)3,000円 (学生)1,000円

申込先:生産技術振興協会事務局 <※申込締切 10月22日(月)



■プログラム

10:00〜10:05  野村正勝理事長挨拶((社)生産技術振興協会)

10:05〜10:10  加賀昭和教授挨拶(大阪大学大学院工学研究科)
(1)「原子力エネルギー:地球温暖化防止と持続可能社会実現のキーテクノロジー」(10:10〜11:10)
山口 彰 氏  大阪大学大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻 教授
地球温暖化が喫緊の課題であるという認識とその防止のための具体的な目標は明確であるが、その達成と問題解決への道筋は平坦ではない。持続可能社会実現のためには、グローバルな視点から現実的かつ実効的な手段の選択と判断が求められる。原子力発電の割合は、世界の総発電量の16%、国内では29%に達し、そのCO2発生量は石油火力の3%ほどである。地球温暖化防止と持続可能社会実現を支えるキーテクノロジーとして原子力に期待が寄せられ、いま時代は"原子力ルネッサンス"と言われている。
(2)「バイオマスエネルギー:バイオマスエネルギーが開く社会と産業」(11:10〜12:10)
新名惇彦 氏 奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 教授
化石資源中心の世界のエネルギー消費量は年間12兆ワットであるが、年間生産される植物バイオマスのエネルギー量は100兆ワットある。その内、60兆ワット分はいわゆる未利用バイオマスである。これを燃料にする経済的プロセスがあれば、石油は不要である。一方、植物のバイオマス生産性を12%増大させ、これを燃料や工業原料に利用することも可能であり、脱石油、地球温暖化防止に対してバイオマスエネルギーへの期待は大きい。
(3)「太陽光エネルギー:コスト効果に優れた色素増感太陽電池」(13:30〜14:30)
柳田祥三 氏 大阪大学先端科学イノベーションセンター 客員特任教授
CO2排出削減の観点から、民用エネルギーを太陽エネルギー由来の再生可能なエネルギーにシフトさせる動きが世界に広がりつつある。特に、太陽電池の積極的な普及政策が欧州を筆頭に実施され、米国でも太陽光発電に対する税の優遇策が延長され、太陽電池の世界的需要は拡大の一途にある。一方、太陽電池の製造原料である高純度シリコンは、高純度シリカの枯渇気配から継続的な品薄,高騰が危惧され、シリコンを用いない資源・コスト面に優れる色素増感太陽電池が世界的に脚光を浴びている。
(4)「電力:電力業界の対応及び関西電力の具体的取組み事例」(14:30〜15:30)
泉 正博 氏 関西電力株式会社 環境室 環境部長
京都議定書の第1約束期間を来年に控え、目標達成計画の見直しや洞爺湖サミットが予定されるなど国内外で地球温暖化問題への対応に向けた動きが活発化している。本講演では、国内外における地球温暖化問題の動向及び産業界、電力業界の対応について概観するとともに、電気使用に伴うCO2排出係数において国内トップレベルを目指す関西電力の取組みを具体的な事例も交えて紹介し、今後の対応について述べる。
(5)「鉄鋼:鉄鋼プロセスにおける二酸化炭素削減に向けての技術展望」(15:45〜16:45)
有山達郎 氏 東北大学多元物質科学研究所附属資源変換・再生研究センター 教授
鉄鋼業は我が国のエネルギー消費の約14%を占め、二酸化炭素排出に関しては影響度が大きい。すでに様々な省エネ対策などが取られているが、今後の地球温暖化対策のために、省エネのみならず本質的な炭素消費の削減、脱炭素の技術が求められている。これらの二酸化炭素排出削減は世界的な基調であり、欧州でも新たなプロジェクトが開始されている。本講演では鉄鋼業における二酸化炭素削減に向けての技術開発の動向について述べる。



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