主催 (社)生産技術振興協会・大阪大学生産技術研究会 協賛 (財)大阪市都市型産業振興センターロボットラボラトリー 後援 大阪商工会議所・NPO法人エコデザインネットワーク
近年ロボットテクノロジーの進展はめざましく,既に日常生活にロボットテクノロジーを駆使したプロダクトが入りつつある. しかしながら,ロボット産業は,まだ発達途上であり,今後の進展がカギを握る.
本セミナーでは,ロボットテクノロジーの最新動向とそれを踏まえた産業化に関して,専門家の先生方を向かえ,それぞれについて解説していただく.
- 日時 :平成18年11月8日(水)10:00〜16:45
- 会場 :(株)島津製作所関西支社 マルチホール
- 会費 :(会員)10,000円 (非会員)12,000円 (学生)1,000円
- 申込先:生産技術振興協会事務局 <※申込締切 11月2日(木)(定員100名になり次第締め切り)>
10:00〜10:05 野村正勝理事長挨拶((社)生産技術振興協会)
10:05〜10:10 浅田 稔教授挨拶((独)大阪大学大学院工学研究科)
(1)「複眼全方位センサによる3次元センシング手法」 | (10:10〜11:10) |
八木 康史 氏 (独)大阪大学産業科学研究所 複合知能メディア研究分野 | |
凸面鏡と単一カメラからなる全方位視覚センサは,周囲360度シームレスな観測が同時に可能なことから,自律移動ロボット,テレプレゼンス,バーチャルリアリティ,遠隔監視などの応用分野で注目され活用されてきた.一般に凸面 鏡を用いた全方位視覚センサは,単一カメラにより映像を獲得しているため,そのままでは奥行き情報が得られない.しかし,多くの応用場面で奥行き情報 が必要とされることから,全方位が観測できるだけでなく,全方位の奥行きが 瞬時に得られれば,その利用価値は高い. 本講演では,我々が考案した複数の凸面鏡を用いた複眼全方位センサを紹介する.本センサは,狭基線長ではあるが,上下視差だけでなく,様々な向きの 複数基線をもつマルチベースラインステレオを実現していることで,視差検出 の安定性を高めた小型全方位ステレオである. |
(2)「空気圧人工筋によるロボットの歩行」 | (11:10〜12:10) |
細田 耕豪 氏 (独)大阪大学大学院工学研究科 知能・機能創成工学専攻 | |
人間の歩行は拮抗に配置された筋肉の張力を巧みに操り,また脚の重さなどを有効に利用することにより効率的かつ柔軟に実現されていると考えられる.このような適応的な歩行をロボットによって実現するためには,筋肉の代替として空気圧人工筋を採用することが考えられるが,制御性能の悪さなどからこれまで実用に耐えなかった.本講演では,空気圧人工筋によってロボットの歩行を実現するための技術について概観する. |
(3)「不確かさを考慮した移動ロボットの環境認識と行動計画」 | (13:30〜14:30) |
三浦 純 氏 (独)大阪大学大学院工学研究科 機械工学専攻 | |
人間の生活空間を自由に移動できることは,人間と共生するロボットに不可欠な機能の一つである.自由な移動には,(1)周囲の物体を認識して移動できる場所を知ること(自由空間認識),(2)衝突等を避けて適切に移動すること(行動計画),および(3)自分がどこにいるかを知ること(自己位置認識)が必要であり,そこではセンサ情報や移動の不確かを考慮することが重要である.本講演では,これらの技術の現状を概観するとともに,実際の研究事例をいくつか紹介する. |
(4)「ロボット産業化に向けた動き」 | (14:30〜15:30) |
石黒 周 氏 ロボットラボラトリー リーダー | |
次世代ロボットがその特性を活かすことができ、かつ利益を生み出しうる潜在的なターゲット領域は,サービスのフロントオフィス,すなわち企業と顧客との関係性の構築の中にある.このターゲットに対し,次世代ロボットがユビキタスネットワークと接続し,スマートインターフェースデバイス,さらにはインターディペンデンスエージェントとしての役割を果たすことができるビジネスプランをつくり出し,提案していくことが次世代ロボット事業の本命となるであろう. |
(5)「超速ハイパーヒューマン技術とその応用」 | (15:45〜16:45) |
金子 真 氏 (独)広島大学 工学研究科 複雑システム工学専攻 | |
ヒトの能力をはるかに超えた技術"ハイパーヒューマン技術"は新しい業分野を切り開く革新的技術になる可能性を秘めている.今回は特にヒトの約30倍はやく認識できる超高速ビジョン,ヒトより20倍以上すばやく動作する高速アクチュエーションにスポットをあて,個々のシーズ技術の現状と生体工学,構造工学,医学診断技術への新展開についてビデオを使って視覚に訴える形で紹介したい. |