自動運転など既存の産業分野を大きく変革しうる技術としてAI技術が注目され、
その応用範囲は着実に拡大しています。今年度のハイテク推進セミナーでは、産業
分野におけるAI技術の応用事例を取り上げ、最新動向、現状の課題、今後の発展性
などについて、専門の講師をお招きし、ご講演いただきます。
- 日 時:2022年11月2日(水)10:00〜17:10
- 会 場:サラヤメディカルトレーニングセンター(SMTC)
- 本町ガーデンシティ4階
- (大阪市中央区本町3-6-4(地下鉄「本町」駅 7号出口直結)
【地図はこちら】
- 参加費:一般、会員 6,000円(税込)
教員、名誉教授 3,000円(税込)
学生 1,000円(税込)
- 定 員:50名 ※定員にて締切致します
- 形 式:対面開催(オンライン放映はありません)
- 申込先:(一社)生産技術振興協会 事務局
【参加申込みフォームよりお申し込みください】
10:10〜11:00 講演1「IoTビッグデータのためのリアルタイムAI基盤」 | ||||
大阪大学 産業科学研究所産業科学AIセンター 櫻井保志 氏 | ||||
データ駆動型社会では、IoT技術により様々なセンサー、端末からビッグデータを収集し、増え続けるビッグデータを高速に学習するAI技術がビジネスの成否を左右する大きな鍵となります。本講演では、様々な環境から得られたセンサ信号のリアルタイム高精度分析を行うことができる世界最速の開発ソフトウエアを紹介し、実際の工場の生産ラインの支援や自動車運行管理などに役立つ製造業DXの取り組みを実例とともに紹介します。 |
11:00〜11:50 講演2「データなき世界へのアプローチ〜人の行動をいざなう仕掛学〜」 | ||||
大阪大学 大学院経済研究科 松村真宏 氏 | ||||
世の中はデータになっていない事象やそもそもデータにすることができない事象に溢れています。そのような事象に立ち向かうためには、デー夕という呪縛から離れる必要があります。仕掛学では、データではなく人の好奇心を利用して、人の行動を変えることによって問題解決を図ります。仕掛学では人の行動を変化させる「きっかけ」になるものを「仕掛け」と呼んでいます。仕掛けは行動の選択肢を増やすものであり、行動変容を押し付けるものではありません。仕掛けに興味をもった人が自ら進んで行動を変えたくなる。そのような仕掛けを研究対象にしています。本講演では、そのような仕掛けの事例をしながら仕掛学の考え方をお伝えします。 |
13:10〜14:00 講演3「看護現場における勤務表自動作成のためのアプローチ〜勤務表の質の定量化と 組織改善への取り組み」 | ||||
東京大学 空間情報科学研究センター 清田陽司 氏 | ||||
看護師スケジューリンク'問題(NSP)は、古くから取り組まれてきたオペレーシヨンズ・リサーチの課題であり、NP困難な問題として広く知られている。近年では、充足可能性問題(SAT)に変換して解くアプローチが用いられている。SATによる自動勤務表作成システムは、すでに多くのベンダーから発売され、看護現場向け勤務管理システムのパッケージにも組み込まれているものの、SATを現実の看護現場に通用するには、さまざまな困難が伴うことから、ほとんど活用されていないのが現状である。管理者である師長が、勤務表作成に必要とされるさまざまな制約をシステムに入力することの難しさもさることながら、「勤務表の質」を定量化できていないことが、高いハードルとなっている。本講演では、大規模病院との共同研究として行っている性質の異なる複数の病棟における自動勤務表作成と、勤務表の質に影響を与える定量的指標を開発する取り組みを紹介する。 |
14:00〜14:50 講演4「AI×産業 〜人とAIの連携〜」 | ||||
慶応義塾大学 新川崎タウンキャンパス 山口高平 氏 | ||||
現在、第3次AIブームが続いており、社会実装されるAIシステムが普及してきた。しかしながら、AI技術を正しく理解していないために、混乱も起こっている。AIは、ソフトウェアを知的にするための技術の総称であり、推論、計画立案、推薦、機械学習、ディーブラーニングなど、多くのAI技術に分類されるので、現場で解決すべき問題を特定して、適切なAI技術も選択する必要がある。本講演では、重要なAI技術を説明した後、AI技術の具体的応用として、自動運転の動向、ロボット喫茶店、教師ロボット連携授業などを紹介し、AI技術の通用可能性とその限界について述べ、AIによる近未来社会を展望したい。 |
15:10〜16:00 講演5「ファナックにおけるAI技術の活用について」 | ||||
ファナック株式会社 次世代技術研究所 佐藤和宏 氏 | ||||
近年、労働人口の減少や人材の流動化、人件費の高購などを背景に、製造現場の自動化要求は高まり続けています。また、従来は比較的容易に実現可能な繰り返し作業の自動化が主に取り組まれてきましたが、昨今は機械の立ち上げや保守点検といった非定常作業、製品の官能検査など熟練作業者が行っていた作業を対象に、より高度な自動化が求められています。このような中、第三次AIブームの流れを受け、製造業の分野でもAI技術の活用が模索されています。ファナックでは2015年の咳referred Networksとの協業からAI研究を開始し、性能向上、予防保全、検査、使いやすさを主なターゲットとして、これまでに様々なAI機能を開発、発表してきました。本講演では、具体的なAI機能を紹介しながら、製造業ならではのクリアしなければならない課題やAI機能の開発のポイントなどを解説します。 |
16:00〜16:50 講演6「AIによる音響・振動データからの知識発見と予測」 | ||||
大阪大学 大学院情報科学研究科 福井健一 氏 | ||||
損傷現象や身体活動により生じ物質中もしくは空気中を伝わる音波には、対象の現在の状態や予兆に関する多彩な情報が含まれており、in-situ(その場)評価に有用である。本講演では、各種音番・振動データに対してAI技術(機械学習)により解析することで、事象間の相互作用の発見や、一連の状態変化の可視化、また余寿命予測に関して講演者がこれまで取り組んできた共同研究事例を紹介する。具体的には、(1)燃料電池のAcoustic Emission事象系列からの部材間の力学的相互作用の発見、(2 )転がり軸受の振動データからの欠陷検出と余寿命予測、(3)睡眠中の音番に基づく睡眠パターンの可視化と良否判別について紹介する。 |
<連絡先>
大阪市中央区本町橋2−8 大阪商工会議所内
(一社)生産技術振興協会 事務局長 巽昭夫
電話:06-6944-0604 FAX:06-6944-0605