ハイテク推進セミナー

月を拓く
― 探査から月面都市・宇宙産業へ

〜JAXA・大学・産業界が描く日本の宇宙戦略と未来社会〜


◇主催: 一般社団法人生産技術振興協会

◇後援:国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
大阪商工会議所・一般社団法人大阪大学工業会
国立大学法人大阪大学先導的学際研究機構附属月面都市開発研究センター
一般社団法人関西経済同友会・経済産業省近畿経済産業局


■開催趣旨

 人類の宇宙開発は、アポロ計画による「月へ行く時代」、小惑星探査「はやぶさ」に代表される「探査する時代」を経て、 いま「宇宙を利用し、暮らす時代」へと大きな転換期を迎えています。NASAのアルテミス計画をはじめ世界各国が月面開発を 加速させる中、日本もJAXAを中心に、大学や企業が連携し、月面資源の活用、宇宙インフラ、宇宙建築、食料生産、製造技術など、 月面社会の実現に向けた研究開発を進めています。
 本講演会では、「はやぶさ1・2」による小惑星探査の成果から、月の砂(レゴリス)の資源利用、日本企業の宇宙ビジネス参画、 月面インフラ、宇宙での食料生産、無重力環境での接合・建設技術まで、宇宙開発の最前線を第一線の研究者・技術者が わかりやすく紹介します。
 本企画の特徴は、宇宙科学だけではなく、「宇宙で暮らす」「宇宙で産業を興す」という社会実装の視点にあります。 宇宙を新たな経済圏・生活圏として捉え、日本のものづくり技術や産業競争力が果たす役割を展望するとともに、 産学官連携による月面都市構想や持続可能な宇宙社会の未来像を共有します。
 本講演会が、宇宙探査の成果を未来の産業・社会へ結び付ける新たな発想を生み出し、次世代の宇宙開発を担う研究者、 技術者、企業、市民がともに宇宙の未来を考える契機となることを期待します。

パンフレット ◆講演詳細 ◆講師紹介

■開催日時

日 時:2026年11月25日(水)10:00〜17:25
会 場:大阪商工会議所ビル6階末広の間
    (大阪市中央区本町橋2-8)
    (地下鉄堺筋線 堺筋本町駅12番出口、地下鉄谷町線 谷町四丁目駅4番出口)
    【地図はこちら

参加費:一般、会員   6,000円(税込)
     教員、名誉教授 3,000円(税込)
     学生      1,000円(税込)


定 員:240名  お申込受付は先着順とし、定員になり次第、受付を締め切らせていただきます
形 式:対面開催(オンライン配信はありません

申込先:(一社)生産技術振興協会 事務局
    【参加申込みフォームよりお申し込みください】

■講演プログラム

10:00〜10:10 開会の挨拶 (一般社団法人生産技術振興協会 理事長 堀池 寛)

10:10〜11:05 講演1司会:事業企画幹事委員 豊田岐聡
【講演1】太陽系探査への挑戦 ― はやぶさ2から未来へ ―
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 宇宙科学研究所(ISAS)
副所長・教授 津田雄一 氏
 日本の小惑星探査機はやぶさ2は、6年間・52億キロメートルの宇宙飛行のすえ、人類未踏の小惑星「リュウグウ」の物質を地球に持ち帰ることに成功しました。 地球外の天体の物質を持ち帰る「サンプルリターン探査」は、日本のお家芸の技術として世界から評価されるに至りました。このような成果を踏まえ、日本の宇宙探査は どこへ進むべきでしょうか。本講演では、はやぶさ2のミッションを振り返りつつ、日本の将来の宇宙探査の目指す先を展望します。

11:05〜12:00 講演2司会:事業企画幹事委員 豊田岐聡
【講演2】月の科学の最前線 〜高精度分析&リモート観測で明らかになってきた月面環境〜
大阪大学大学院理学研究科・月面都市開発研究センター
教授・総長補佐 寺田健太郎 氏
 お月見、潮の満ち引き、昔話(月のうさぎ、かぐや姫)など、私たちの暮らしに馴染みの深い月。科学的には、惑星に対する大きさの比が大きい 「不思議な衛星」として知られています。当日は、実際に月の石をお見せしながら、高精度な同位体分析や月周回衛星「かぐや」によるイオン観測から明らかになってきた 「月の最新像」について紹介します。普段は38万km離れている「月」をどうぞ身近に感じてください。 講演会後、月の見え方が変わるかも?

 12:10〜13:20 休憩

13:20〜14:15 講演3司会:事業企画幹事委員 豊田岐聡
【講演3】2030年代の月探査 〜探査から開拓へ〜
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA)
理事補佐 川崎一義 氏
 2026年3月24日、NASAは今後の宇宙開発を月面に軸足を置く「Ignition計画」を発表した。同計画は2030年代に持続的な月面基地を実現するために、 3つのフェーズを提示している。フェーズ1では2029年までに月面基地設置のための構築・試験・学習を行う。このため、無人機による探査ミッションをこれまでより頻繁 (毎月)に実施する。フェーズ2では月面有人活動のための初期インフラを整備する。ここでは有人月着陸探査を半年に一回の頻度で実施するともにJAXAの有人与圧ローバー が中核的な役割を果たす。そして2033年以降のフェーズ3において持続的な有人活動を実現する計画である。JAXAはこれまで、産学官と共同で月明開発を進めるための 議論を行い、昨年11月には「国際宇宙探査シナリオ2025」を公表したが、NASAの「Ignition計画」を踏まえて一気に加速する可能が高まっている。 本講演では、月面開発における最新の国内外の検討状況を共有するとともに、月面探査がもつ社会的な意義についても議論したい。

14:15〜15:10 講演4司会:事業企画委員 山中俊夫
【講演4】竹中工務店の月面開発シナリオと宇宙建築が拓く未来
株式会社竹中工務店 大阪本店設計部・技術本部
第5設計部門グループ長・宇宙建築タスクフォース リーダー 佐藤達保 氏
 宇宙開発と近代建築は、人類の生活空間を拡張するという共通の目的のもと20世紀に発展してきた。21世紀には月や火星への居住を 見据えた新たな段階に入り、国際協力のもと民間企業の宇宙分野への参画も急速に拡大している中、選抜された宇宙飛行士だけでなく、民間人が宇宙に滞在する時代が 現実のものとなりつつある。これに伴い、心身の健康や快適性を含めたQOL(生活の質)の向上が重要となる。一方、月面は低重力・真空・放射線・温度差など、 地球とは異なる過酷な環境である。このような環境下で持続的に活動・居住するためには、段階的な空間構築と、それに応じたQOLの適切な設計が不可欠である。 竹中工務店では、2030年代以降の有人月面活動および居住空間の実現を見据え、月面開発のプロセスを5つのフェーズに整理している。 フェーズごとの、目的や滞在人数に応じた空間規模とQOLの在り方や段階的な建設を軸にした、月面における居住空間形成の方向性を示す。

 15:10〜15:25 休憩

15:25〜16:20 講演5司会:事業企画委員 池 道彦
【講演5】宇宙空間での食料生産
大阪公立大学 研究推進機構 植物工場研究センター
特任教授・センター長  北宅善昭 氏
 長期有人宇宙活動において、食料生産と環境維持のための閉鎖生態系生命維持システム(CELSS)は必須である。 食料生産システムは植物栽培を中心に、魚類あるいは家畜飼育システムからなり、環境維持システムはガス、水、および廃棄物の処理システムからなる。 CELSSでは基本的に、人を含む動物の呼吸により排出されるCO2は植物の光合成で吸収・固定され、その時に発生するO2が動物の呼吸に利用される。 また、動物の排泄物や植物の非可食部分は、酸化されて水とCO2およびその他の無機物に変換されるので、その酸化に必要なO2の供給、 および発生するCO2の吸収も植物の光合成に依存することになる。また飲水の一部には、植物からの蒸散水が用いられる。 したがってCELSSでは、食料生産を中心に、ガス処理機能や水処理機能をもつ植物栽培システムの構築が重要である。

16:20〜17:15 講演6司会:事業企画幹事委員 豊田岐聡
【講演6】月面における基礎インフラ(加熱、酸素、照明、通信)に関する取り組み
大阪大学接合科学研究所・月面都市開発研究センター
所長・センター長 藤井英俊 氏
 実際に月面で生活することを考えると、様々なインフラを整備しなければならない。大阪大学の手法では、まず、レンズと 光ファイバーの組合せで100kWのエネルギーを作る。他国は、例外なく光エネルギーを電気エネルギーに変換して使用することを検討しているが、 光エネルギーを光エネルギーのまま使用すると、10〜100倍程度の効率上昇が見込まれる。このようにして得られた大きなエネルギーを月面の砂に照射 することで酸素を生成する。月面の砂は、Fe、Si、Ti、Al、Mg、Caなどの酸化物から構成されているが、これらを真空下で加熱することで、 1時間で2000L酸素を生成することが可能である。この速度は、他国が提唱する方法と比較して、およそ1000倍程度であり、100人以上の人類が 生存可能とする極めて大きな生成速度である。加えて、光ファイバーを用いているため、照明や通信インフラも同時に確立することができる。

17:15〜17:20 総括 (事業企画幹事委員 豊田岐聡)
17:20〜17:25 閉会の挨拶 (事業企画委員長 赤松史光)

【交流会】 なし
<連絡先>
大阪市中央区本町橋2−8 大阪商工会議所ビル5階
一般社団法人生産技術振興協会 事務局
電話:06-6944-0604  FAX:06-6944-0605
E-mail: info-seisan@joy.ocn.ne.jp

[過去のハイテク推進セミナーの紹介]

[トップマネージャーのための新春セミナーの紹介]  [事業企画委員の紹介]

[Top Pageへ戻る]