主催 (社)生産技術振興協会 共催 (社)大阪大学工業会、NPO法人エコデザインネットワーク 後援(予定) NEDO、近畿経済産業局、大阪商工会議所、公益社団法人自動車技術会
- 日時 :平成23年11月8日(火)10:00〜17:00
- 会場 :島津マルチホール(阪急ターミナルビル 14階)
- 参加費 :¥3,000円
- 申込先:(社)生産技術振興協会 事務局 <定員70名になり次第締め切ります>
東日本大震災は福島原発の壊滅的な事故を伴った。この原発事故は科学者に 大きな衝撃を与えたばかりか、燃料資源の乏しい我が国のエネルギー問題を 課題として残していった。今こそ日本のエネルギーについて国民的議論を深 め、その将来像を描くべきである。持続可能な自然エネルギーについてそれ ぞれはいまだ本格的な普及に向けてはなお発展途上であり、火力や原子力な ど既に成熟した電源と比較すると、いまだ効率面で非効率な面がある。しか し、効率だけで判断するのではなく、安全性と地球湯環境保護を備えた自然 エネルギーに関して、その可能性を見極め、未来に向けて育てていく発想が 重要と考える。これらはいずれも「地産地消費型小型発電」という新たな選 択肢である。日本では生ゴミや木質ゴミが無尽蔵に廃棄され、都会では多く の食物残渣や下水道処理から発生する産業廃棄物の活性汚泥等が発生する。 そう言った意味で日本では、バイオマスは資源が豊富と言う意味で、大いに 期待できることに加え、太陽光と風力に比べ、はるかに安定的に発電するこ とが可能だ。
これらの少数派の電源は様々な自然エネルギーと既存電力が互いに補完し合 うベストミックスを構築することが重要だ。特に太陽光や風力は発電の安定 性に欠けるため、バイオマスエネルギーで機動的にサポートする仕組みが必 要とされる。加えて電力を効率的に得るためには、自然エネルギーを適材適 所で利用することも大きなポイントとなる。バイオマスエネルギーの活用や 余剰電力を効率よく消費するスマートグリッドの活用は、電気自動車の普及 とともに日本のエネルギー将来像を考えるときに無くてはならないアイテム だ。今回のハイテクセミナーを通して、参加者の熱心な討論とともに、日本 のエネルギー将来像を考えるときの参考にして頂きたいと考えている。
資源・エネルギー問題と持続社会への展望 | ||||
京都大学大学院エネルギー科学研究科 教授 塩路昌宏 氏 | ||||
資源・エネルギー問題の解決は現代社会における最大の課題であり、 とくにエネルギー自給率がわずか4%の我が国では最重点政策として位置づけられる。 ここでは、その柱となるエネルギー源の多様化によるセキュリティーの確保、温室効果 ガス排出抑制への対応、および省エネ・効率向上に対する取り組みについて概観すると ともに、今回の大震災の影響で原子力推進計画の見直しが迫られる中、将来の持続社会 のためのシナリオを展望する。 |
エコタウン構想−環境・エネルギー問題と今後の持続可能な都市社会について− | ||||
同志社大学理工学部エネルギー機械工学科 教授 千田二郎 氏 | ||||
環境とエネルギー問題の現状と今後を概説し、ホロニック・エネルギー・パスの 視点から今後の都市交通社会と都市のエネルギー構造の概要を述べる。また今後の持続可能なエネルギ ー都市社会に関して事例紹介を交えて、エネルギー自立・自給の向上が可能な社会構造のイメージを紹介する。 |
新世代電気自動車「i-MiEV」の開発と将来展望 | ||||
三菱自動車工業株式会社 開発本部 EV・パワートレインシステム技術部 吉田裕明 氏 | ||||
これまでの電気自動車は航続距離が短い、充電に時間が掛かる、居住空間が制限されるなどの 課題を抱えていたが、これらの課題を解決する次世代電気自動車i-MiEVを開発し、世界に先駆けて実用化した。 本講演では、i-MiEVの特徴と主要技術を紹介すると共に電気自動車の歴史と将来展望について述べる。 |
スマートグリッドの取り組み〜関西電力を中心に〜 | ||||
関西電力株式会社 企画室 次世代電力系統戦略プロジェクトチーム 部長 藤井裕三 氏 | ||||
「低炭素社会の実現」、「景気・雇用対策」、「国際競争力の強化」など、 スマートグリッド取り組みの背景やエネルギーを巡って将来予想される変化について概観を述べるとともに、 電気事業者の役割やスマートグリッドに対する取り組みについて関西電力の事例を中心に 報告する。また、上記の取り組みに加え今回の東日本大震災で顕在化したグリッド(電力 系統)の課題について、今後の取り組みの方向性を考察する。 |
太陽光発電の現状と将来 | ||||
シャープ株式会社 ソーラーシステム開発本部 本部長 村松哲郎 氏 | ||||
地球環境問題やエネルギー問題等の喫緊かつ人類共通の課題に対する「解」の ひとつとして自然エネルギーに注目が集まっている。今回、地球上にほぼ均等に降り注ぐ太陽エネル ギーを活用する太陽光発電について、現状と導入拡大を図るための国の施策や太陽電池の技術動向な どを説明するとともに、太陽光発電によるエネルギーの地産地消の可能性やエネルギーと産業に対す るトータル・ソリューションについても述べる。 |
Energy from Waste 期待と課題 | ||||
日立造船株式会社 技術研究所 環境・ソリューション技術グループ長 安田俊彦 氏 | ||||
現在再生可能エネルギー有効利用の観点から、廃棄物発電 への期待が高まっている。しかしながら、廃棄物の減容化、無害化という使命を 担う廃棄物処理施設においては、廃棄物そのものに起因すること等、発電増強に 対する課題は多い。そこで本講では、主として都市ごみ焼却施設におけるごみ 発電の現状、国のごみ発電推進に対する施策、および発電効率向上に対する技術的 な課題と課題克服に向けた取り組みについて述べる。 |